医療法人 三河循環器科内科

10月2025

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小豆島の自転車大会に参加してきました

院長ブログ

2025年10月10日

瀬戸内海国立公園の島々のなかでも淡路島に次いで2番目に大きい島、小豆島は海がとても美しく穏やかで、気候も地中海の様に暖かく乾燥しているためとても快適に過ごしやすく、これまで「二十四の瞳」をはじめとした数々の映画やドラマの舞台にもなりました。
小豆島の名産品はオリーブや醤油、そうめんが特に有名ですが、島の北東部は良質な花崗岩が採れるため、戦国時代に多くの小豆島石が大阪城の石垣に使用するために運び出されました。今でも島の北東部には残石が数多く残されており、当時の面影が残っています。

そんな美しくて歴史のある小豆島で毎年秋、島を自転車で一周するイベントが開かれています。
「さぬきセンチュリーライド小豆島大会2025」
距離は91kmで最大標高は150mしかありませんが、獲得標高はなんと1325mもある、なかなかタフな大会です。小豆島はこれまで6度も自転車で走ったのに、この大会には一度も参加たことがありませんでした。以前から出場したいと思っていたのが、ようやく夢が叶いました。

大会当日は3時起きですが、こんな日は目覚ましが無くても起きられるのが不思議です。まさに小学生の遠足の気分です。前日から用意していたおにぎりで腹ごしらえした後、車に自転車を積み込み出発です。夜が明けた頃に高松市内に到着したら早速自転車で高松港に向かいます。高松港は高松駅の隣りにある瀬戸内の玄関口で、港からでもたくさんの島が見渡せるとても美しい港です。私が到着した頃、すでに早朝からたくさんのサイクリストがフェリー乗り場に詰めかけていました。こんなに大勢のサイクリストが皆、同じフェリーに乗って小豆島に向かっているとは、一般客の方々はさぞかし驚いたでしょう。

フェリーの車両デッキではたくさんの自転車が何重にも重なり、ロープで固定されました。小豆島までは1時間の船旅です。
少し寝ようかとも思いましたが、これから始まる大会を思うと興奮してともて眠れそうにありません。そうこうしている間に南小豆島の池田港に到着しました。ここからスタート地点の道の駅小豆島ふるさと村まで約2km、小さな山を越えますが自転車なら楽々です。

エントリーを済ませてゼッケンを付けたら開会式が始まりました。どうやらゼッケンのNoと関係は無く、並んだ順にスタートできるようです。

帰りのフェリーの時間を少しでも早めようと思い、前の方に陣取りました。皆がはやる気持ちを抑えながらスタートの時間を待っています。参加者は見た感じ40代~60代が多いようですが、中学生の姿もありました。朝9時、いよいよスタートしました。ロング90kmのAコースとショート70kmのBコースがあり、ロングAコースの人から順に出発します。

コースは島の南部中央部付近から時計回りで島の外周を走り、また出発地点に戻ってきます。スタートしたらまずは西へ向かい土庄町を目指します。実は小豆島は一つの島ではなく小豆島本島と前島の二つの島に分かれており、当然二つの島の間には海峡があります。ここ土渕海峡の幅は最も狭いところで9.93mしかなく、世界一狭い海峡としてギネスに認定されています。前島は小豆島の南西の小さな島なのですが、小豆島最大の港である土庄港や観光で有名なエンジェルロードはいずれも前島にあるので、本島と前島を合わせて小豆島と呼ばれているのです。

土庄町に入り前島をぐるりと一周したらいよいよ小豆島北部へ向かいます。小豆島は南側が栄えており人も多く住んでいますが北側は店が殆ど無いので、エイドまでの補給食はある程度自分でも用意して走らなくてはなりません。

サイクリングイベントではよく、エイドステーションと呼ばれる水分や食料などを提供してくれる場所が何カ所か存在しています。エイドで美味しい食べ物をいただくのが、サイクリングイベントの醍醐味の一つといっても過言ではありません。

今回のエイドは以下の通り、
第一エイド、道の駅大阪城残石記念公園(32km地点)
第二エイド、南風台(57km地点)
第三エイド、オリーブナビ小豆島(79km地点)
ゴール、道の駅小豆島ふるさと村(91km地点)

それぞれのエイドで何が食べられるのか楽しみです。
第一エイド(32km地点)までは集団の後ろで走っていたこともあって、あまり疲れること無く到着しました。ここでは小豆島そうめんとにし貝を美味しく頂きました。にし貝はとても食べやすく、サザエよりも癖がありません。100円でおにぎりも販売していたのですが、ここからはアップダウンが続くのであまり腹一杯にならないほうが良いと思い我慢です。

第一エイドを過ぎると皆がバラバラに出発するので、同じようなペースの人となんとなく一緒に走るようになります。私の他に3人程が同じペースで走っていましたが、石切場を過ぎて上り坂に差し掛かると皆が頑張りはじめたため、徐々に実力差が出てきます。負け惜しみになりますが、どうやら他の方は30~40代のようでした。何度もやってくる上り坂はまさにインターバルトレーニングと同じで、かなりの高負荷がかかります。私の心拍数はすでに170を超えており、徐々に遅れ始めます。心拍数が180に達した頃、心臓と肺がついに悲鳴を上げました。
置いてけぼりを食らった私は「まあ今回はこの辺にしておいてやろう」と捨て台詞を吐き、しばらくの間は気ままな一人旅です。

第二エイド(57km地点)に辿り着いた頃、心肺機能はなんとか回復したものの、すでに私の脚が売り切れていました※。もうこれ以上力一杯踏むことはできません。しばらくは回復に専念しようと思いエイドの食べ物を覗いてみたら、いろんな種類の食料が並んでいました。でもこれらはすべて「パン」でした。喉も渇いていたので、口の中の水分を全部持っていかれるパンよりも米が食べたい気分でしたが、贅沢を言ってはいけません。おもむろにクッキー&クリームフランスという初めて聞く名前のパンを水で流し込みましたが、これが思いのほか美味しく少しエネルギーがチャージされました。
※脚が売り切れる:途中で力使い果たして失速すること

第二エイドを出発したら島の南東の半島の先端、大角鼻灯台に向かうルートを走ります。そして、ここにはコース最大標高の難所が待ち構えています。標高7mから150mまでを一気に駆け上がるのですが、すでに売り切れた脚には力が入らないので、こんなこともあろうかと激坂のために温存していた最終手段、「乙女ギア」を使うことにしました。「乙女ギア」とは乙女でも漕げる程の非常に軽いギアのことで、スピードは亀のように遅くなりますが、どんなきつい坂道でも登り切ることができる、我々貧脚サイクリストにとって夢のような装備なのです。

余談ですが、以前から右膝に爆弾を抱えてた私にとって、膝の負担が少しでも軽減でき「乙女ギア」は以前から装備していたのですが、最近は毎日の早朝トレーニングの効果もあってか、今回のロングライドでは懸念していた膝痛に悩まされずに走れました。これで、ようやく昨年のブルベの時の膝痛の悪夢から解放された気がします。

コース最大の難所を越えた後、大角鼻灯台までの道はあまり普段から車も通らないためか、道の途中まで草が伸び放題の「酷道」の様相を呈しており、野生動物の飛び出しにも注意が必要です。幸い怖い動物に出会うことも無く無事に通過して島の南東にある坂手港までやってきました。この辺からは家も多くなるので寂しい雰囲気も無くなり、道も平坦なので安心して走ることができます。きれいな海岸線を走っていると第三エイドが見えてきました。

第三エイド(79km地点)ではバナナを頂きました。それにしてもエイドを用意してくださったスタッフはじめ大会関係者には感謝しかありません。ここまで来ればゴールまであと20km、心の中で感謝しつつ最後の山道(標高70m)を駆け上がります。ここを下ればいよいよゴールです。

スタートから4時間36分後、ようやくゴールの道の駅小豆島ふるさと村に帰ってきました。実際のライド時間は4時間1分、平均時速は22.4km/hでした。数々の登りがあったので自分としては上出来です。
ゴールでは讃岐うどんと、すももソフトを頂きました。そういえば春に走った「ツールド103」でもゴール後にうどんが振る舞われましたが、香川と言えば讃岐うどん、何度食べても美味しいものです。

大会の途中、沿道の人達には何度も大きな声で応援していただき、島の人々の暖かさを肌で感じました。「また何度でも小豆島に帰ってくるよ」まあ今回は一人参加だったので心の中でさけびつつ、予定より1便早いフェリーで帰途に就きました。

香川ではどの大会も盛り上げ方が上手で地元の暖かさが感じられ、とても良いと思いました。私の地元でも最近は新しい大会もありますが、無くなってしまった大会もいくつかあります。地方を元気づけるためにも地元の大会をもっと盛り上げ、一つの大会が長く愛されるように育てていく事が大切だと感じた一日でした。

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