4月2024
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血圧のお話
2024年4月22日
血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力のことで、心臓が縮んだり広がったりすることで発生します。血圧の値は、心臓から押し出される血液量(心拍出量)と、血管の収縮の程度やしなやかさ(血管抵抗)によって決まります。
上の血圧は、心臓が収縮し血管にもっとも強い圧力がかかっているときの値で、正式には収縮期血圧と呼ばれています。このとき、大動脈も膨らみ血液がたまります。下の血圧は、心臓が拡張しているときに血管にかかる圧力の値で、拡張期血圧と呼ばれています。このとき、心臓から血液は出ませんが、膨らんでいた大動脈が元に戻り、その間もゆっくりと血液が先に送られます。つまり心臓が1回収縮し拡張する毎に上の血圧と下の血圧が生まれ、血液が体全体に送られるようになっています。
血圧は常に変動しています。血圧を測定する時間帯や季節や室温、起床や食事・運動などの日常生活、精神的ストレスなど、様々な原因により変動するものです。運動すると一時的に血圧が上昇することがありますが、運動後安静にすることで自然に血圧は低下します。これは正常な血圧の変化ですので問題ありません。高血圧とは、安静にしていても血圧の高い状態が長く続いた状態をいいます。
また、加齢とともに動脈が硬くなってくると(動脈硬化)、収縮時の大動脈の膨らみが少なくなってきます。そのため上の血圧は上がりやすく、下の血圧はむしろ低下して、上の血圧だけが高い、すなわち(孤立性)収縮期高血圧と呼ばれる状態がしばしばみられるようになります。
日本高血圧学会資料より一部改変