医療法人 三河循環器科内科

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ブルベ挑戦(準備編)

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2024年9月12日

「ブルベ」というイベントをご存じですか。
自転車を趣味にしている人なら、一度は聞いたことがあるかもしれません。
ブルベは「認定」という意味のフランス発祥のサイクリングイベントで、規定された距離を基本自己責任で走り、制限時間内に完走すると認定されます。
ブルベに出走するためにはいくつかのルールがあります。自転車保険加入や反射ベスト装着、前後ライト、ベルなどが必須です。例えば、前方ライト2灯が必須の規定があるのに1灯しか付けてないと車検が通らず、出走することができません。

ブルベはロングライドイベントの最たるもので、規定された距離は最短でも200kmから始まり、300、400、600km、さらに長い距離と分けられています。200kmといえば、徳島駅から京都駅までの車での距離が190km弱なので、これよりも長い距離となります。ほぼ自転車旅といった途方も無く長い距離を一人、走り続けなければなりません。

ブルベで認定を受けると、認定メダル(1個1000円)を買う権利が与えられます。これまで参加してきたサイクリングイベントでは完走後に賞状は貰えても、メダルを頂くことはありませんでした。50代半ばにもなると、なかなか表彰される機会もありませんので、ブルベを完走し認定されたら是非ともこのメダルを手に入れたいと考えていました。

ブルベでは距離毎に制限時間があります。最も短い200kmで13時間30分、600kmにもなると40時間となっています。いずれも時速15kmで休まず自転車を漕ぎ続けるとクリアできるタイムとなっているのですが、途中PC(point de controle)というチェックポイント(日本では指定されたコンビニで買い物してレシートを貰うことが多い様です)を何カ所も通過する必要があり、途中休憩も考えると恐らく平均時速20km程度で行かないと制限時間内にゴールできそうにありません。

昨年から一度200kmブルベに出てみたいと考えていましたが、私がこれまで経験した最長距離が150kmだったので、さらに50km長く乗り続ける体力が必要です。コースの中には峠越えも数多く含まれており、平地のみで構成されたコースは皆無です。自身の現在の環境や年齢、体力を考えると、構想時点では制限時間内に200km走りきる自信が無かったので、昨年から基礎体力向上のため最大斜度14%の眉山を登る練習を繰り返してきました。また持久力も必要なので、先日の大窪寺サイクリングも実はブルベ参加を想定して、その半分の距離を走ってみたつもりでした。また減量にも励んでみたものの、こちらは十分な成果が得られませんでした・・・
(普段患者様に体力づくりや減量を指導してますが、いやはや難しいものですね。)

さて、どのブルベに参加できそうか調べてみました。ブルベは土日に開催されることが多いのですが、諸事情で日曜日の3時頃出発して早朝にスタート地点に到着し、終了後も当日夜のうちに帰ることができる開催地で、しかも獲得標高が低めの初心者にもやさしいコース設定である必要がありました。

欲張りな条件ばかりでしたがそんな中、2024年9月始めにある神戸西の大会が目に留まりました。コース説明の中に「ブルベ初心者でも参加しやすい」といった殺し文句があり、それまで高かったブルベの敷居を思いっきり下げてくれた印象でした。

今年は春の鳴門の大会、秋の淡路島ロングライドといった、参加を予定していた大会がいずれも中止となったため、モチベーションが下がり気味だった矢先、神戸西で行われる200kmブルベに運命を感じずにはいられず、参加することを決意したのでした。自転車を始めて7年、多少無理が効いて体力の限界までいける大会はこれが最後かもしれません。これまで練習してきた成果を見せる絶好の機会です。

ブルベ出場に向け体力作りを行いながら、自転車に何を装備するかを考えました。ブルベは基本自己責任で走るため、万一、途中で体調不良や車体のトラブルでリタイア(DNF:Did Not Finish)した場合、リタイアした場所から家まで自力で戻らなければなりません。パンク修理キットや車体をバラして電車に乗せるための輪行袋、また今年の猛暑対策として塩タブレット、ブルベカードやPCでのレシートが濡れないようにする袋など厳選して用意していたのですが、なんと大会1週間前に、7年間愛用していたビンディングシューズ(自転車のペダルに固定できる靴)が壊れてしまいました。急遽新しいシューズを用意したものの、初めて履くシューズなので靴擦れが心配です。仕方なく予備として普通のシューズも持ち運ぶことにしました。今年は9月開催とはいえ熱中症が心配ですが、長距離を走ると途中で左膝が痛くなるもの長年の不安材料でした。

最終的には車体に前方ライト2灯(バッテリー式で800ルーメンの広角ライトと400ルーメンの通常ライト)とリアライト2灯(電池式とバッテリー式)、大きめのサドルバッグ(中に輪行袋と予備シューズなど)、後方に新たに大きなおにぎり型の反射板、パンク修理キットやドリンクボトル入れ2カ所、さらに小さな携帯ケースも取り付けたブルベ仕様のオリジナル自転車が完成しました。

他のブルベ参加者はどのくらいの荷物を持っていくのだろう?
安心を重視した結果、自分の自転車は思ったより車体重量が増加していました。果たして練習中よりも重い自転車で100km以上先に待ち構えている数々の上り坂を無事登り切ることができるのか不安だらけの中、ブルベ当日を迎えることになります。

熱中症に注意

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2024年7月17日

7月中頃、そろそろ梅雨明けですが、一段と暑くなってきました。私も先日軽度の熱中症になった反省も踏まえ、今回は熱中症の話をしたいと思います。

総務省消防庁が発表している7月1日から7日までの熱中症による救急搬送人員は昨年同時期よりも3割近く増加しており、特に7月に入ってからは急激な増加を見せております。

(総務省消防庁発表熱中症情報より)

また、熱中症は屋外よりも屋内で発生することが多く、住居や仕事場、学校などの屋内発生が6割を占めています。


テレビの天気予報では熱中症の危険度を判断する数値として「暑さ指数」が使われています。暑さ指数とは、人間の熱バランスに大きく影響する「気温」「湿度」「輻射熱」の3つの指標を取り入れた温度の指標です。なかでも「湿度」は暑さ指数の7割を占めています。湿度が高い場所では汗が蒸発しにくく、熱が体内に溜まりやすくなるため、熱中症を発症しやすくなります。室内では温度だけでなく湿度にも気をつけ、扇風機などをで風通しを良くすることが大切です。
また、暑さ指数が28を超えると熱中症患者の発生率が急増しますので特に注意が必要です。

また、高齢者は発汗能力が低下するうえに、口渇感が感じにくくなるなど、体温調節機能が低下していることが多いので、熱中症を発症しやすいといえます。入浴や睡眠前後にも水分を補給しましょう。

7月のサイクリング

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2024年7月16日

2月のサイクリングで断念した四国霊場88番札所「大窪寺」へのリベンジを果たしに行きました。片道46km、往復92kmのライドです。今回は真夏、酷暑でのサイクリングなので、早朝5時の出発です。

前回は吉野川南岸を走ったので、今回は西条大橋を渡り北岸を進みます。本来この時期は吉野川中流にある善入寺島のひまわり畑を見るのがおすすめですが、途中から約14kmの山登りが待っているので、今回はコンビニでの補給以外は寄り道せずに山麓のある市場町に向かいます。

山に入ると斜度が4~6%程度の坂が連続します(斜度が5%の坂なら100m進んだとき標高5mアップ)。前回は残り10km地点で早々にリタイアしましたが、今回は日々の眉山練習の成果か今のところ快調に進んでおり、このまま一気に登れそうです。
しかし、大窪寺まで残り4km付近から斜度が上がってきました。納経帳を背負ったリュックが一段と重く感じます。

三度目は無いと言い聞かせつつ、ひとつひとつカーブを曲がっていくと、ついに「大窪寺」の案内板が見えてきました。これまでも、なぜか山寺の駐車場の手前は劇坂が多い気がしていましたが、今回も例に漏れず、最後に斜度10%の劇坂が待ち構えていました。
なんとか劇坂をクリアし、大窪寺の参拝を終え納経帳に記帳してもらった後は、ご褒美と補給を兼ねて、寺の前にある食堂でうどんを頂くことにしました。疲れで思考力が低下していたのか、この暑い日に追い打ちをかけるように熱々のうどんを頼んでしまいました。ヒルクライムでかなり汗をかいていたのに、さらに汗だくになりながらうどんを食べていると、食堂のお姉さんがうちわで扇いでくれました。まさに人のやさしさに触れた瞬間です。

さて、水分補給も済ませたので残り46km、山を下って帰ります。
下りは殆どペダルを回すこともないので、自転車の気持ちよさを体感できます。過酷なヒルクライム後のボーナスステージといったところでしょうか。しかし平地に入ると、疲れと暑さが徐々に体力を奪います。残りあと25km、ロングライドで懸念していた左膝の痛みも出てきました。
満身創痍になる前に家に辿り着こうと自転車をこぎ続けましたが、炎天下でのライドは想像よりも過酷で、やや脱水気味になりつつも、なんとか自宅に辿り着きました。

やはり予想と実際とは大きく違いました。
今回の反省点はまず水分補給が少なかったことです。本来なら4~5Lは補給しなくてはならない水分が、今回は2.5L程度しか摂取できていませんでした。早朝スタートでも、その後急速に気温が上がるのを予期できなかったのが原因です。もっとこまめに水分補給する必要があると実感しました。

もう一つの反省点は、熱中症対策です。残り4km程度は軽度の頭痛と思考力低下があり、おそらく軽い熱中症症状だったと考えます。高温への対策が不十分でした。予想外の事態に備えること、今回のチャレンジ自体をもっと気温の低い時期に設定することや、暑さを感じ始めたら体に水を掛けるなどで積極的に体感温度を下げることなどが必要でした。

真夏のライドは危険を伴うので、距離を短くして早朝ライドのみで済ませたり、危険と判断したらライドを中止する勇気も必要です。

血圧のお話

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2024年4月22日

血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力のことで、心臓が縮んだり広がったりすることで発生します。血圧の値は、心臓から押し出される血液量(心拍出量)と、血管の収縮の程度やしなやかさ(血管抵抗)によって決まります。

上の血圧は、心臓が収縮し血管にもっとも強い圧力がかかっているときの値で、正式には収縮期血圧と呼ばれています。このとき、大動脈も膨らみ血液がたまります。下の血圧は、心臓が拡張しているときに血管にかかる圧力の値で、拡張期血圧と呼ばれています。このとき、心臓から血液は出ませんが、膨らんでいた大動脈が元に戻り、その間もゆっくりと血液が先に送られます。つまり心臓が1回収縮し拡張する毎に上の血圧と下の血圧が生まれ、血液が体全体に送られるようになっています。

血圧のしくみ

血圧は常に変動しています。血圧を測定する時間帯や季節や室温、起床や食事・運動などの日常生活、精神的ストレスなど、様々な原因により変動するものです。運動すると一時的に血圧が上昇することがありますが、運動後安静にすることで自然に血圧は低下します。これは正常な血圧の変化ですので問題ありません。高血圧とは、安静にしていても血圧の高い状態が長く続いた状態をいいます。

また、加齢とともに動脈が硬くなってくると(動脈硬化)、収縮時の大動脈の膨らみが少なくなってきます。そのため上の血圧は上がりやすく、下の血圧はむしろ低下して、上の血圧だけが高い、すなわち(孤立性)収縮期高血圧と呼ばれる状態がしばしばみられるようになります。

収縮期高血圧

日本高血圧学会資料より一部改変

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