院長ブログ
深部静脈血栓症の予防
2016年4月26日
熊本地震で被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。
なお、地震で避難された方の中で深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)から肺塞栓症を発症される方がおられます。
「深部静脈血栓症」とは主にふくらはぎなどの下肢の静脈内に血の塊(血栓)ができてしまうもので、この血栓が下肢を動かした際に静脈の流れに乗ってしまうと「肺塞栓症」といって肺動脈を詰まらせてしまいます。もし多量の血栓が飛んでしまうと命に関わります。
この深部静脈血栓症は予防がとても大切で、ハイソックスタイプのきつめのストッキングをはいたり、ふくらはぎをマッサージしたり、足首を運動させることで予防することができます。
当院でもデイサービスに間欠的空気圧迫装置を設置して深部静脈血栓症の予防を行っていますが、長時間座って仕事をされる方も時々下肢を動かしたり、ふくらはぎをマッサージしてみてください。
下肢血流のおはなし
2016年3月5日
3月4日(金)に吉野川市の中部循環器勉強会で末梢閉塞性動脈疾患のカテーテル治療について講演させていただきました。
末梢動脈疾患に対するカテーテル治療は近年さらなる進歩を遂げています。例えば大腿動脈(太ももの血管)や膝下の血管が閉塞しており、数年前までは治療困難と言われた患者様でも、最近では足首の血管から治療用のカテーテルを通して治療できる方がいらっしゃいます。
治療前は歩くと下肢が痛くなるため50~200m程度しか歩行できなかった患者様や、足先に出現した傷がなかなか治らなかった患者様でも、治療後は歩行距離が大幅に増えたり、傷の治りを早くすることが可能です。
なかでも、喫煙と糖尿病はこれら末梢動脈疾患の大きな危険因子ですので、たまには足先の色が悪くなっていないか観察してみましょう。当院でも末梢動脈疾患のスクリーニング検査として足関節上腕圧比(ABI)を用いた検査を行っています。簡単な検査ですので、気になる方は一度検査してみてはいかがでしょうか?
講演会終わりました。
2015年9月28日
9月24日(木)の心臓カテーテル治療ならびに9月27日(日)の生活習慣病予防の講演会がいずれも無事終了しました。
カテーテル治療の講演会では狭心症の検査、治療方法から最新の大動脈弁膜症治療まで皆様と一緒に勉強することができました。近年冠動脈疾患から不整脈、弁膜症に至るまで、様々な心疾患ができるだけ侵襲の少ない方法で治療することができるようになってきましたが、これらの疾患の中には生活習慣の改善や服薬で予防できたり、状態をコントロールできるものもあります。さらに同じ病気であっても治療方法や服薬方法が違うこともありますので、疑問点があればいつでもご相談ください。
生活習慣病予防の講演会では、私からは高血圧治療における減塩の重要性をお話しました。また、たまき青空病院の石本先生からは膝や腰をいたわりながらの運動について、徳島赤十字病院の日浅先生からは喫煙がもたらす様々な病気と禁煙の重要性をお話していただきました。
いずれの講演会も非常にたくさんの方々に来ていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。
講演会のお知らせ
2015年8月19日
9月24日(木)13時、9月27日(日)10時よりそれぞれ講演会に参加させていただくことになりました。
24日はカテーテルを用いた心臓病治療について、27日は生活習慣病の予防のお話をいたします。
興味のある方は是非ご参加下さい。
心臓検診と心電図
2015年7月18日
スポーツクラブに入る前にクラブから心エコー検査を依頼され、ご両親と来院されるお子さんがいます。循環器専門医のところでは、初診で心エコーのみを希望されて来院された場合でも必ずと言ってよいほど、まず最初に心電図を記録します。
心エコーで異常を認めないから運動は大丈夫とは言えません。勿論、心エコーを用いなければ分からない疾患も数多く存在します。しかし、心電図でなければ見つけられない疾患もたくさん存在するのです。特に危険な不整脈につながるような心電図異常は将来、突然死につながる恐れがあるため、決して見逃さないようにしなくてはなりません。
徳島県では、小・中学校生徒の心電図判読を判読委員によるダブルチェック方式で行っています。本年度より、私も徳島市の心電図判読委員会に入らせていただきました。委員会の諸先生方とともに、一人でも多くの心疾患患者様を事前に拾い上げていければ幸いです。